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Affair.3 ANNIVERSARY
(他にない盛り上がりをみせたロータスDAY チャップマンに感謝する一日にもなった!!)

image 通いなれたサーキットだが、この日のツインリンクもてぎは、いつもとは違う雰囲気に包まれていた。チームロータス50周年記念イベントへの参加のため、各時代を賑わかしたロータスの名車が場内を埋め尽くし、まさにお祭り騒ぎの雰囲気。クルマのイベントとしては、近年では稀に見る盛り上がりさであり、ロータスの人気の高さをまじまじと実感できる華やかさだった。
用意されていた当日のプログラムも、その辺のイベントとはケタが違う。その筆頭が歴代ロータスのF1が疾走するデモンストレーション。ハマキ型の名車はもちろん、中嶋悟がステアリングを握ったターボ時代のF1なども顔を揃え、会場のファンの視線はその走りに釘付け。さらに、ロータスの名車を揃え本気のガチンコのレースを行なってしまうイベントなど、ファンの興味をあおる内容が目白押しだった。普通ならミュージアムに飾られる名車を、まじモードでサーキット走行させてしまうロータスユーザーの思い切りの良さに、正直いって圧巻だった。

我々HAPPYハッピー部隊も他の参加者に負けじと、このイベントに珍しいゲストを同行させることにした。それは、先代の社長が置き土産に残した、ヨーロッパのスタイリングを持つモーターボート。古くからHAPPYを知る人は承知と思うが、これはHAPPYのFRP技術の高さを証明すべく造られたようなものだ。激しい波の衝撃を受けるモーターボートだが、船体の上部にかぶせられたヨーロッパボディは10年以上も経過した現在でも、当時の輝きを放つコンディションを保っているほど。あえて前述のその内容は会場で告知しなかったが、質感の高いボートのヨーロッパボディに興味を抱く人たちが少なくなかったようだ。

image しかし、多くのロータスファンがHAPPYに期待を寄せていたのはそれだけじゃない。マイスターカップの終了以来、久しぶりとなる47GTのレース参戦。そして、カーボンボディを身にまとったHAPPYエリーゼのツインリンクにおける実力に、周囲の関心は高まっていた。もちろんドライバーを担当する僕にとっても興奮を押さえ切れない、この日の一要素となっていたのは言うまでもない。
まず、47GT。こいつは、まさに麻薬的。600kgそこそこのシャシーに260psエンジンからなる加速は、そうそう体験できるものじゃない。ありあまるモンスター性能を封じ込め、しびやにドライビングする醍醐味がある。表現を変えれば、現代のGTマシンのようなド迫力。そいつを1年ぶりに味わえるのだから、「興奮するな!」といわれても無理な話なのだ。
ところが、意外だった。久しぶりというのに、モンスター性能に振り回されること がない。確かに、色あせないド迫力の加速は健在でそれには慣れるまで時間を要したものの、コーナーのターンインや出口では、ありあまるハイパワーに弄ばれる心配はなかった。ポテンシャル的にも現役時代と同じく、ツインリンクを2分5秒台で走る俊足をみせ衰えはないが、あまりにもすんなり乗りこなせたことに予想を裏切られたわけだ。
ハイパワーを無駄にしないその特性を再確認したとき思い出したが、47GTを走らせていた当時は、バトルに強い特性を追求して開発を進めていた。つまり、サイドバイサイドの状況でも、つねにコントロール下にマシンをおける特性を目指していた。そういえばレース参戦を重ねるたびにその特性が熟成され、マイスターカップが幕を閉じる頃には理想に近づいた記憶をその時に思い出したのである。それだけに久々といいつつも、コーナーをドリフトで駆け抜ける作業だってそれほど難しくなく、自在なドライビングを許されたのだろう。
ただ、そのコントロール性の良さを今回のレースで行かせなかったのが残念。ようはバトルするライバルが存在しなかったということだ。予選ではポールポジションにつくが、その座を奪おうとする存在は決勝でもなかったのである。
どちらかというと、今回の主役は47GTを含めHAPPYが送り込んだヨーロッパ全車だろう。というもの、同じレースにはHAPPYの手になる他のヨーロッパも出場しており、なんと、どれもが予選で上位を確保。なかには予選で47GTにつぐフロントローにおさまる選手もいた。決勝レースではその何台もが上位を走り、現代のスポーツモデルに負けないラップタイムで周回を刻むなど、ヨーロッパのポテンシャルの高さを映像として観客の目に残したのである。47GTでのバトルはお預けとなったが、記憶に残るひとつのレースシーンといえるものだった。

image また、フルカーボンボディのエリーゼについては、ツインリンクにおいて何秒台をたたき出せるかが、関係者の気になるところだった。すでに筑波サーキットでは1分00秒台を記録する高性能に至っているが、果たしてツインリンクでは...? その興味は、実をいうと僕自身も抱いていた。というのは、ツインリンクは多くのレースが開催されるサーキットのため、本格的なレースマシンにタイムでどれだけ歩みよれるものか、開発ドライバーを担当するものにとっては、非常に興味を引かれていたからである。
まず目標に挙げていたのは2分5秒台。このタイムは、僕も参戦したスーパー耐久シリーズでいう、クラス3のポールポジションタイムに匹敵する数字で、フェアレディZやNSX、そしてRX-7の本格レーシングマシンに肩を並べることになる。日本を代表するピュアスポーツ、しかもレーシングマシンに仕立てられたそれらを撃沈できたら...、それを成し得る性能だったとすれば、そんな楽しいことはないのだ。
HAPPYエリーゼを簡単に紹介すれば、まずフルカーボンによるボディ約100kgにおもよぶ軽量化。駆動系統には6速シーケンシャルミッションが採用され、クロスレシオ化による加速性能の強化も図られる。さらに足まわりは、リアスタビライザーが特別に作成され、アームの支持部はオールピロを採用。バネレートおよびダンパーなどは筑波サーキットを前提にチューニングした仕様である。つまり、ツインリンクを舞台にするにはドンピシャではないセッティングによるチャレンジというわけだ。
実際、予選におけるタイムアタックでのシーンになると、やっぱり! と予想していた物足りない性能が顔をだしてみせた。スピードレンジの低い筑波サーキットに合わせたセッティングでは、とくにリアのスタビリティが不足気味であり、たとえばコーナーのターンイン時にテールスライドが過大な傾向となっていた。そのため、あまり本気モードを出さずのドライビングを余儀なくされていたが、予選結果をみれば、あてにしてなかっタイムにびっくり。なんと、スーパー耐久の本格的レーシングマシンに迫る2分6秒00をマークしていたのである。セッティングさえ煮詰めれば2分4秒台、いや3秒台は難しくないポテンシャルを示したことになる。

image 確かに、今回はいつもSタイヤではなくスリックに履き替えてのアタックだけに好タイムを記録できたのだろうが、ハイグリップに対してシャシーが負けている感覚はないだけに、さらなるポテンシャルアップを期待できるいい機会となった。もし、来年にツインリンクを舞台にレース参戦がはたせるならば、HAPPYエリーゼの記録更新を確実だろう。楽しみにしてほしい。
最後になるが、今回のイベントはロータスファンのあつい意気込みがみられた。参加人数は正式なところが不明だが、パドックを埋め尽くす数の多さは目を疑うほど。しかもその殆どが名車ロータスを惜しげもなくフルスロットルでサーキットを走らせ楽しむ姿は、本来のクルマ好きの遊び方なのだろうと嬉しくも映った。おそらくこの日の参加者は皆、熱くなれるライトウエイトスポーツを造ってくれたチャップマンに、感謝したことだろう。可能であればこのイベント、恒例行事に成長してもらいものだ。

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