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Chapter.18 〜SOLDIER BLUE〜
ムチもあればアメもあった第3戦 順調にいかないシナリオに連勝記録も足踏み

 マイスターカップ第3戦は、気温&湿度ともに異常に高い過酷な条件下のレースとなった。知ってのとおり気温や湿度が異常に高い日のレースというのは、ドライバーの体力が勝敗のカギを握ることも多い。それが、たかだか15週のレースであっても。マシンの車内は日常では体験のない高温域まで上り詰め、ドライバーの集中力、そして体力をいやおうなしに奪い取る。ブレーキングやステアリングなど、一連の操作にミスが誘発されることも少なくない。レース中のラップタイムが安定しないときは、暑さという見えない敵に襲われていることも、この時期は多い。
 レーシングドライバーはその予防策として、夏場のレースが近付くと慌ててトレーニングを始めることがある。かくいう僕も実はそうだ。先週の十勝24時間耐久レースから始まり今回のマイスターカップ、そして来月の8月にはポッカ鈴鹿1000kmと、立て続けにレースが予定されるため、トレーニングの強化の期間中ということ。ただ、ボクの場合はトレーニングスタイルが特殊。場所は海、そしてメニューはウエイクボード。ビキニ姿の女の子を横目で品定めしつつである・・・。つまりエロ心も加速させて、ヤル気の活性化を図っている。(ただの女好きとも言えますが) 少し話はずれますが、単に遊びに思えるウエイクボードも、実はこれほど筋力トレーニングに適したスポーツはない。知ってのとおりウエイクボードは、ボートに引っ張られ海面を滑走する横乗り系のスポーツだが、その際の運動量は想像以上のものがあるほど。とくにクルマ乗りにとって都合がいいのは、腹筋と背筋のバランスが最適化されるところだ。ボートに引っ張られる力を腕をとおして足に履くボードに伝達するため、腰の運動量がかなり多い。つねに腰でバランスを取ろうとするため、腹筋と背筋の両方が鍛えられるわけだ。
 実際に腰痛をもつドライバー仲間の話では、定期的にウエイクボードを行っていると腰の調子がよいと聞いたことがあるほど。他にも耐久レースに出場しているドライバー仲間からも、「最近はロングランで2時間近くぶっ続けで走ったって疲れが少なく・・・、ラクなんだよね!」の効果を聞いた。もちろん、ボク自身もウエイクボードを定期的にやっている時期は、レース中の体力に不安になるこがない。しかも炎天下でのスポーツのため、熱射病に対する抵抗力もより強くなっている気も。あくまで感覚的な話のためスポーツ系ドクターに叱られてしまう部分もあるだろうが、”骨折”さえしなければ、ウエイクボードは、ボクにとって打ってつけのトレーニングである。
 ただ、ドライバーの体力がウンヌンというよりも、この気温の高い季節はラップタイムの更新が難しいのが少々残念。気温が高いときは気圧が下がり、大気中の空気の密度も少なくなるため、エンジンは有効な燃焼効率が得られずに、本来の最高性能を発揮できないそんな季節でもある。さらに、辛いという部分ではタイヤにとっても悪条件だ。路面温度が極端に高いときは、本来のグリップよりも食い付きが落ちてしまう傾向にある。しかもタイムアタック中では、1周回り切るまでにグリップに変化がみられことも少なくない。すなわちマシン性能面の落ち込みやタイムアタックのタイミングなど、冬場の冷え込んだ季節に比べると自己ベスト更新をはたすには条件が厳しいということ。
 また、今回の第3戦では悪条件が重なる不運に見舞われた要素もあった。そのひとつが、マフラー。これまで47GTのエキゾーストは、いわゆるストレート式のチョッカン。大地に響き渡る迫力のエキゾーストサウンドも魅力のひとつになっていたが、なんと前回のマイスターカップで「音が大きすぎでは・・・」と指摘され、やむなく消音機の取り付けを余儀無くされてしまった。そのことで魅力的だったド迫力のエキゾーストサウンドは姿をなくし、むしろ他のマシンよりも控えめに成り過ぎたほど。
しかも当然だが、排気高率が低下したことで、エンジンパワーのダウンも避けられない状況。実際に、一番スピードが乗るバックストレートでは、通常よりも200回転ほどエンジンの伸び上がりにかけていたほど。
 「これじゃ自己ベストの57秒412の更新はムリ・・・、次回に繰り越しか?」
 予選のコースインを行う車内で、そうしたグチを心で叫んでいた部分は正直あった。
そして追い討ちをかけるように、予選中にはもうひとつの不運が襲いかかることに・・・。
 予選では、タイヤ温度が最適になる3周め狙いを定めタイムアタック。まだまだ詰めに甘さが残る走りだったが、意外にも記録されたタイムは57秒の後半であり、2回目のアタックをすれば自己ベストに近付けそうな期待があった。そして2回目のアタックに入り、1コーナー、S字、1ヘアピンと無駄なくベストな勢いで走り抜け、続くダンロップコーナーにレターインを・・・、不運はそのときに降りかかってしまう。
 なんとスロー走行をしていたマシンが、ターンインをした直後の47GTの目の前に突然、飛び込んでしまったのだ。やっぱ、排気音が小さくなったことが原因?そんな後悔も・・・。
 その状況は、まさにクラッシュ寸前。ボクにとっては「あたった!」と思えるほど、マシンの鼻先に相手のタイヤが迫っていた。47GTは内側に巻き込むように挙動を変えてくれ、ガードレールのすぐキワだったものの接触せずにスピンで回避できたのが幸い。フロントのスポイラーが破損してしまったが、大クラッシュを避けられたことは不幸中の幸いだった。しかし、予選のタイムアタックはその時点で諦めることに。
 スポイラーの破損、タイヤのコンディションを考え、これ以上のタイムアップは狙 えないと判断。素直にピットへ戻る結末となった。
 しかしながら、今回は幸運に恵まれたレースでもあった。それは、決勝のスタートシーンでの出来事。ポールポジションは、57秒前半のタイムを出した19番ジネッタG12を操る位高選手。その左横、2番グリッドの47GTはつけることになったが、なんとシグナルが青に変わった瞬間、19番ジネッタG12はクラッチミートと同時にギアがすっぽ抜け、痛恨のスタートミス。まさに「御愁傷様」といってあげたい、そんなラッキーなハプニングが起きた。当然、その時点で47GTはマシンの群れの先頭に踊りでることに・・・。
 たが、逃げ切りを許さないと好スタートを切った6番マルゼンセブンが、1コーナーまでの間で47GTのイン側に飛び込もうと迫ってきたのにはビ・ツ・ク・リ。もちろん当然のごとく、鬼のようなブロック作戦をすかさず開始するが、「やり過ぎなのでは?」と見るものに緊張感を覚えさせていたことは意外。なにしろ内側のコンクリートウォールに、6番マルゼンセブンがサンドイッチ状態になりそうなほど、ギリギリまで幅寄せしていたと言うのだから・・・。ともかく見る人に緊張感を与えられたのだから、きっとマルゼンのドライバーも許してくれる、でしょ!
 その後のレース展開は、ご想像のとおり47GTの独走体勢。そのままゴールラインを先頭で切る予定・・・、だったのだが。ゴールまであと5周に迫った時点で、なんとエンジンの浮気上がりに、ただならない重いストレスが増してしまったのである。
 加速にパンチがなくなり、エンジンからも異常な匂いが漂っていたのだ。気温が極端に高かったため、相当なストレスがエンジンにかかっていたに違いないが、無理して走れば敢然に破損の道を辿る予感もあったので、今回はその時点で戦いを諦めることになった。
 ともあれ、これほどに七転八倒とした一日も珍しいこと。ムチがあれば、突然アメが投げ込まれ、最後にはカウンターパンチでノックアウトさせられるという結末。良い結果こそ残せなかったが、それはそれで何だか理由なき満足感があったが。ただ、今回の結果でアグラをかけない状況に追い込まれたことは事実。シリーズポイントは、19番のジネッタに追い付かれ同ポイント。次のレースは、とにかく落とせない大切な一戦となった。したがって第4戦までには、お休みしていた47GTのポテンシャルアップを実施する予定だ。さらなるコーナーリング・マシンに成長させる計画なので、おそらく次戦の表彰台の頂点に立つマイスターは、我々になることだろう。

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